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ウインド・クロッシング(Winged Crossing=有翼交差)
自分のこだわりを持ち続けている芸術作品等の構成部分を取り出して、それを言い表す名称やキーワードを見つけることから始まります。次に、それらから自由に連想を展開してみて、その後でその連想の源になっている言葉と、連想の結果引き出される言葉のつながりを交差して、新しい言葉のイメージを生み出します。そして、最後にその新たなイメージをモティーフとした詩的なディスクール(言説)、ないしは自己物語(ナラティブ)の創作を試みるのです。
ここでは、例として、もっとも分かりやすい二つだけのキーワードから連想を展開し、誰でも知っている有名な作品名が生まれたと思われる事例をご紹介したいと思います。



☆中島みゆきのヒット曲『地上の星』と、宮崎駿の『天空の城ラピュタ』☆

以前NHKの“プロジェクトX”という人気番組の主題歌しても放送されていた『地上の星』という曲は、とても神秘的な雰囲気をもつ曲名が印象的です。
本来であるならば、星は天上に輝くべきものであるはずだからです。一方、それでは反対に、地上にあるものとして、どんなものが通常連想されるでしょうか。例えばビル、山、東京タワーなど、何でも良いと思うのですが、今そのような候補の一つとして、日本やヨーロッパの中世社会のシンボルであった城をあげてみることにしましょう。そうすると、とりあえず次のような図式を描くことができることになるはずです。

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さて、私が試みているウインド・クロッシングというのは、このような通常の連想パターンにおわることなく、次の段階でこの二つの連想を下のように交差させるというものです。

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こうすると、中島みゆきの曲のモチーフとなる「地上の星」というイメージが新たに合成されるということになるのは、すぐに御理解いただけると思います。一方、この場合の副産物として、実は宮崎駿のアニメとして有名な『天空の城ラピュタ』のモチーフになった「天空の城」というアイディアも、「空」と「上」という漢字での表現こそ違うとしても、もうひとつの交差の結果としてうみだされていることが、容易にみてとれると思います。
このように私の言うウインド・クロッシングというのは、一言で言えば作品の鑑賞に基づく交差的連想法と言い換えることもできるかもしれません。

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ウインド・クロッシング体験記1 

二つの棗と茶碗の奏でるOLシンデレラ物語・・T嬢の場合
 彼女はいつも地味な色のカーディガンにワンピースを着て、私のオフィスに通って来ました。当初はお茶のお点前を習うのが目的でしたが、2,3ヶ月経った頃からウインド・クロッシングに興味を示し始め、会社帰りのある春の日の夜、お点前のお稽古の後で、その日使った道具を素材として、次のようなウインド・クロッシングを試みてみることになりました。

 以下のシートに記されたような2種類の棗と茶碗の織りなす諸道具から展開した連想を交差して、私は所見欄に見られるような彼女の深層意識を反映しているように思われる物語を構成してみました。
 実際のセッションでは、この連想の交差的な対応関係から生み出される物語から、さらに道具からの縦の矢印が示す直接の連想が生み出すクライアントの表層意識を反映した物語も作ることになりますが、これは道具の欄に書かれていることを主語、そして、連想の欄に書かれていることを述語としてストレートに構想すれば良いので、所見欄に記入することはあまりありません。
 このT嬢の場合、まずこの所見欄からわかることは、一言で言って、新しい出会いの予兆とも言うべきイメージの生成があることです。彼女は一見キャリア志向のOLさんのように見えたのですが、この交差的連想の指し示す物語は、男女の新しい出会いが静かに水面下で準備され、よどむ千鳥が淵を飾る桜の開花を思わせる幸せな瞬間が、ちょうどその日に彼女が使った茶碗の銘のように近々“訪れ”るかのごとくの展開となりました。
 実際に海外旅行の好きな彼女は、その年の何度目かの旅行から帰った夏のある日に、そのしばらく以前にお見合いをした男性と婚約することになったのです。
 このようにウインド・クロッシングの過程で生み出される交差的連想をモティーフとした物語が、まだ気づかない自分の人生の未来の可能性を共時的に示唆する場合もあるように見えることには興味深いものがあります。
 そこで、この事例は、都内に通勤する一般的なOLが潜在的に生きている幸せな結婚に至るためのシンデレラ・ストーリーを象徴しているものであると、捉えることもできるかもしれません。

連 想

所 見 不思議な「境界」から溢れ出てくる表現力。無防備な愛情。うずまく星雲、銀河の訪れ、逆転する水流。海の風景をかもし出す螺鈿は、カオスの出会いを誘う。たおやかな紙で張り巡らされたピンクっぽい宇宙には、ツボのような豊かな表情がある。そして、そのアンシンメトリカルな形状が、よどむ千鳥が淵の周囲に季節の流れを感じさせる桜の開花をうながすかのようだ。 


ウインド・クロッシング体験記2   

二人のOLにもたらされたセレンディピティ
次は、数年前に入門された、とてもスピリチュアルな世界に理解のあるお二人のOLの方の体験談です。
この二人は、お友達同士でとても仲が良いので、試みにご一緒にウインド・クロッシングをしてみてもらうことに致しました。お友達の場合には、やはりそこに、ユングの言う集合的無意識が心の底に通っているという解釈をとることができ、このような形でのグループを対象としたウインド・クロッシングもこれからは徐々に増えていくのではないかと思います。

お二人の心の世界によぎる様々なイメージは、彼女達がこれからの人生で出会うセレンディピティ(幸せな偶然)の導き手となるかのように、エレガントで不思議な新たなるイメージを生成させてゆくことにつながりました。
このウインド・クロッシングが終わる頃には、彼女らの心の中には、あたかも花が咲いたように、新世界の映像が輝き始め、その感動の涙で、このセッションを締めくくるという展開になったのでした。
このように、自分自身が茶道具を介して新しい幸せをもたらしてくれるような交差的なイメージの連想と出会い、そのようなイメージを創造できるというようなことが、従来のスピリチュアリズム等との方法論の違いであるかと思います。それは、自分自身の心の奥にある無意識的なイメージ、ないし連想の世界を自ら発掘し、いわば真の自己によって現在の自分を救済するというような営みが可能であるということを意味しているのです。
ちなみに、この中のMさんは、OL業のかたわら考古学者でもあり、日ごろは発掘現場でとても珍しい縄文時代の遺物を発掘しているような方です。
もう一方のYさんも、このウインド・クロッシングを行なった前後に、新しい柔道整体師の仕事に取り組まれることになり、充実した日々を送られているのでした。

連 想

所見 心を洗う夜の光、希望、変容を完成するきっかけ。         
出会いから鶴のような仲むつまじい夫婦。                
四季草花文のように荘厳された場(結婚式場)でよぎる人生の思い出が   
あたかも季節の流れの風景のように・・・                  
千羽鶴の涙、出会いと別れ(コスモス、母との別れ)           
砂浜の紅葉狩りへの旅、 道へ嫁ぐ                   
《異化作用》嫁という名の家の女から言わば“道の女”へ、すなわち「タオメヤ」へ

出典「新しい茶道のすすめ」黒川五郎 著

セレンディピティ<serendipity>
音節ser・en・dip・i・ty 発音記号/sèrəndípəṭi/
【名】【不可算名詞】
思わぬものを偶然に発見する才能[能力]。幸せな偶然。
The Three Princes of Serendip というおとぎ話から; この主人公が捜してもいない珍宝を偶然に発見することから。

ウインド・クロッシング 1セッション (約90分) 5000円
抹茶、紅茶、ハーブ・ティー等&菓子付き
ウインド・クロッシング・セッションの時間帯は、13:00~20:00まで随時設定可能です。(要予約)
電話受付時間 :平日(水・木を除く) 13:00~19:00
定休日:水・木・日・祝  (ですが休日については応相談)




体験記1のウインドクロッシングシート

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体験記2のウインドクロッシングシート

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